SDGsへの取り組み

協同組合とSDGs

SDGsとは

 「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals/SDGs)とは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に盛り込まれた 17 の目標です。貧困・飢餓・気候変動など人類・地球全体が直面する問題を解決し「持続可能」な世界を実現するために、2030年までの達成を目指して世界各国で取り組みが進められています。

 

協同組合とSDGs

 協同組合は、これまでも貧困や飢餓などの問題に取り組んでおり、国連によりSDGsを達成するための重要なステークホルダーの一つとして位置づけられています。ICAも全世界の協同組合が総力を挙げてSDGsの達成に向けて取り組むことを奨励しています。日本でも、政府による「SDGs 実施指針」に協同組合が明記されています。このように、SDGsの達成において協同組合が果たす役割に、国内外で大きな期待が寄せられています。

 

*上記 2 項目の記述は昨年の国際協同組合デー記念中央集会リーフレットより。

 

SDGs に関連する協同組合の主な取り組み

※17の目標をクリックすると各地の取り組み事例が表示されます。

 

 

あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
  • 組合員の所得向上、金融・共済サービスの提供
  • 多重債務問題への取り組み
  • 困難を抱える女性や若者・高齢者・障がい者・生活困窮者等の就労支援や雇用促進
  • 途上国でのマイクロインシュアランスの普及支援

 

 

飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
  • 国内における農林漁業の振興と安定供給
  • 発展途上国における農林漁業支援
  • 高齢者・障がい者等への配食事業
  • こども食堂・フードバンクの運営
  • 移動購買

 

 
あらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活を保障し、福祉を促進する。
  • 病院・診療所・歯科等の運営/僻地医療の提供
  • 高齢者・障がい者等のケア事業/健康づくり・介護予防活動
  • 子育て関連事業/地域の見守り・助け合い活動
  • 交通安全啓発運動
  • 共済による医療保障の提供

 

 
全ての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を保障し、生涯学習の機会を促進する。
  • 奨学金問題への取り組み/学習支援事業
  • 学生生活支援サービスの提供
  • 大学等における寄付講座
  • 環境教育・生涯学習への取り組み
  • 各種専門技術教育・職業訓練の提供

 

 
ジェンダー平等を達成し、全ての女性及び少女のエンパワーメントを行う。
  • 女性の雇用創出
  • 子育て支援事業
  • 女性が働きやすい職場環境づくり
  • DV 等から女性を保護するためのシェルター事業

 

 
全ての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を保障する。
  • 森林・水田管理を通じた水資源の保全と生態系の保護
  • 「せっけん運動」の普及・促進
 
全ての人々に安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを保障する。
  • 太陽光・風力・小水力・バイオマス発電事業
  • バイオディーゼル燃料事業
  • エコオフィス・エコ住宅等の促進
 
包摂的かつ持続可能な経済成長及び全ての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセントワーク)を促進する。
  • 勤労者・非正規勤労者・失業者への金融支援サービス
  • 中小企業への金融サービスの提供を通じた成長支援
  • 農林漁業従事者への各種支援
  • グリーンツーリズム等の持続可能な観光業
  • 人手不足の解消/共済を通じた成長支援
 
強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
  • 地域包括ケアへの取り組み
  • 農林漁業における ICT 等の先進技術の普及・促進
  • 中小企業への金融サービスの提供を通じた成長支援

 

 
各国内及び各国間の不平等を是正する。
  • 国内外におけるフェアトレードの促進
  • 人権問題の啓発活動
  
包摂的で安全かつ強くしなやか(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
  • コミュニティバス・買物バス・移動購買・介護タクシー等の運営
  • シェルター事業等の一時的住宅支援/高齢者・子ども・障がい者等の「居場所」づくり
  • 地域の見守り・助け合い活動/交通安全インフラ整備
  • 農林業を通じた環境保全と防災/共済サービスの提供を通じた被災者の生活再建支援
  • 災害救援活動/市民農園の提供/防災教育を目的としたイベントの開催

 

 
 
持続可能な生産消費形態を確保する。
  • 食の安全確保と情報提供
  • エシカル消費に関連した商品供給
  • 国内外におけるフェアトレードの促進
  • 森林資源の持続可能な利用
  • フードバンク・リサイクル事業等を通じた資源効率の改善

 

 
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。
  • 森林整備による CO2 吸収機能の発揮
  • 事業における CO2 排出量の削減の取り組み
  • 屋上緑化・グリーンカーテン等の取り組み
  • 再生可能エネルギーの普及・促進
  • グリーンボンドへの投資

 

 
持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
  • 海洋への栄養分を供給するための森林整備
  • 商品購入を通じた海洋保全の取り組み
  • 海洋環境保全団体への助成事業
  • 漁場環境整備及び資源管理の推進
 
陸域生態系を保護、回復、持続可能な利用を推進し、持続的に森林を管理し、砂漠化に対処し、土地の劣化を阻止・逆転させ、生物多様性の損失を阻止する。
  • 環境保全型農業の推進/在来種の保存
  • 森林資源の持続可能な利用
  • 森林整備による生物多様性の保全
  • 里山再生事業
  • 商品購入を通じた環境保全の取り組み
 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、全ての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。
  • ヒバクシャ国際署名活動の支援
  • 平和問題への取り組み
  • 核兵器廃絶の取り組み
  • 刑余者・保護観察対象者等の就労・社会復帰の支援

 

持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。
  • 「協同組合」というシステムそれ自体によるパートナーシップの構築
  • 国内外における協同組合間の連携
  • 国内における自治体、労働組合、NGO・NPO 等との連携

 

*各目標の説明文は『基本解説 そうだったのか。SDGs』(一般社団法人 SDGs 市民社会ネットワーク編、2017 年)より引用。