「国際協同組合デー」は、全世界の協同組合員が心を一つにして協同組合運動の発展を祝い、平和とより良い生活を築くために運動の前進を誓いあう日で、毎年7月第1土曜日と定められています(2018年は7月7日)。本年の国際協同組合デーの世界共通テーマは「協同を通じた持続可能な社会へ」です。この国際協同組合デーを記念した中央集会が7月10日(火)、東京の有楽町朝日ホールにおいて、「日本協同組合連携機構(JCA)」と「国際協同組合年記念協同組合全国協議会(IYC記念全国協議会)」との共催で開催され、会員団体役職員をはじめ、全国の協同組合関係者、メディア関係者など約450名が参加しました。
集会は、中家徹JCA会長・IYC記念全国協議会代表(全国農業協同組合中央会会長)による開会挨拶に始まり、神津里季生労働者福祉中央協議会会長(日本労働組合総連合会会長)による挨拶、また国際協同組合同盟(ICA)のアリエル・グアルコ会長からのビデオ・メッセージも放映されました。
一つ目のパネルディスカッションでは、「持続可能な社会のために日本協同組合連携機構(JCA)に期待される役割」をテーマに、日本協同組合学会の田中夏子会長をコーディネーターに迎え、JCA会員団体からJA全中・日本生協連・全国労働金庫協会・日本労協連およびJCAの役員が登壇。パネリストからはJCAの設立に至る経緯も含めて様々な論点が提示され、議論を通じて、JCAを中心に協同組合間連携をより一層深めることで持続可能な社会の実現を目指していく方向性が改めて確認されました。
続く二つ目のパネルディスカッションは、「協同組合間連携を通じて持続可能な社会へ」と題して、協同組合間連携による先進的な取組み事例を紹介。まずJA鹿児島きもつきの下小野田寛組合長が、当地の協同組合(JA・漁協・森林組合)が連携して地域産業の活性化に取り組む「かのや農林漁業協同組合連絡協議会」の活動について報告しました。続いて一般社団法人埼玉県労働者福祉協議会の永田信雄専務と埼玉県生活協同組合連合会の岩岡宏保会長は、県内の協同組合が共同でフードバンクを運営し、地域社会に貢献している「NPO法人フードバンク埼玉」の取り組みを紹介。さらに日本労働者協同組合連合会センター事業団中四国事業本部の竹森鉄本部長は、広島市からの委託を受けたワーカーズコープがJA広島中央会・広島県生協連・中国労働金庫・連合広島等と連携しつつ、自ら仕事をおこして地域課題の解決を目指す市民を支援する「協同労働プラットフォーム事業」について報告しました。コーディネーターは引き続き田中会長が務め、コメンテーターには一般社団法人SDGs市民社会ネットワークの黒田かをり代表を迎えて、それぞれの事例の意義を「持続可能な開発目標」(SDGs)の視点から検討することにより、協同組合間連携のさらなる促進がSDGsの実現、すなわち持続可能な地域づくりに重要な役割を果たし得ることが確認されました。
集会を通じて、「持続可能な社会」の実現に向けて協同組合間連携を促進する重要性、また連携の促進においてJCAに期待される重要な役割を参加者一同が改めて共有し、本田英一JCA副会長・IYC記念全国協議会副代表(日本生活協同組合連合会会長)の挨拶をもって閉会しました。