・2009年12月、国連総会でのIYC決定後、ただちにIYC推進の特別サイトの立ち上げ、世界の活動の最新情報を提供し続けた。また、世界のIYCイベントで広く活用されたIYCロゴを作成した。
・2011年10月31日にニューヨークで行われた国連総会において、IYCのキックオフイベントが開催された。イベントには、ポーリン・グリーンICA(国際協同組合同盟)会長をはじめ、世界各国の協同組合代表者が集まり、協同組合の重要性を確認した。
・IYCをスタートする総会セッションは、国際連合総会議長のナシル・アブドゥルアジーズ・アル・ナスル氏の開会挨拶で始まり、協同組合原則(自助・民主主義・平等・連帯)に基づく事業が、倫理的価値に重きを置きながら貧困削減や雇用創出に貢献してきた点を述べたほか、アシャローズ・ミギロ事務次長やゴードン・ブラウン前イギリス首相も、協同組合の重要性を訴えた。
・また、国連総会に先立って開催された円卓会議では、食糧安保、金融と経済の安定、持続可能な環境の確立に焦点をあてた協同組合開発による世界への影響力が論議され、協同組合事業体モデルの持つ特性と活力により、特定された分野での役割発揮が論議された。
・さらに紛争地域における平和の構築とコミュニケーションによる紛争者間の橋渡しの役割発揮、そして協同組合事業体の内部の能力開発、政策立案力におけるステークホルダーの役割などにも言及した。
・IYC決定当初よりIYCの進め方のガイドラインを作成し、加盟各国に対して、協同組合を含めたIYC国内委員会を設置するように呼び掛けてきた。そして、2012年11月19日・20日、国連本部において1年間の活動を総括するIYC閉年式典を開催した。
・閉年式典は、テーマを「Promoting cooperatives beyond 2012」とし、目的として、1)持続可能な社会の形成に寄与する協同組合に焦点を絞り、2)世界各地で展開されたIYCの活動総括し、3)今後の協同組合に関する国際的活動計画の必要性を論議した。
・初日には、1)パネルディスカッション:世界の食糧安全保障と協同組合の役割、(モンゴル国連大使が進行役で、ICA会長、ラボバンク専務、FAO代表などが参加)、2)ユースフォーラム:協同組合と青年、エンパワーメント・雇用、エンゲージメントをテーマとする(国連事務総長、ディジャルダン専務、ICAユース代表、ILO協同組合局などが参加)、3)二日目の式典には、国連・経済社会局の局長を議長に、国連事務総長、事務総長補佐、FAO(国際食糧農業機関)専務、IYC提案したモンゴル代表、ICA会長などが参加し、ICAマンチェスター総会(2012年10月)、協同組合ケベック・サミット(2012年10月)などこの1年間の主要な会議の報告とパネルディスカッションを開催した。
・二日目の最後には、4)UN主催のIYCショートフィルムフェスティバルを開催し、世界の7作品を上映した。これらの式典には、世界各地の協同組合関係者、NGO、政府代表、研究者など約300人が参加した。
・IYC記念ポスター(ICAカンクン総会(メキシコ、2011年11月)で当選作品を発表)や、世界の100の協同組合が現代の危機を乗り越えて前進する歴史を記述した「Building a Better World : 100 stories of co-operation」を作成した。この書籍は、10月にカナダ・ケベックで開催された「協同組合サミット」で発売が開始された。
・世界の青年(16歳~35歳)に対して、協同組合への関心を喚起する文化的キャンペーンCoop'Art(音楽、ビデオ、写真)を開催した。上位入選者を対象にインターネット審査を9月から行い、表彰式は、10月のマンチェスターICA臨時総会において行われた。(この事業には、スポンサーとして、イギリスのThe Co-operative Groupのほか、パナマ協同組合研究所、ブルガリア協同組合連合会、フィンランド生協連、イタリア生協連などが参加した)。
・欧州協同組合・社会的企業研究センター(Euricse.本部トレント・イタリア)との協力で、コープの歴史(Stories.coop、http://www.stories.coop/)を開設した。これは、世界中の協同組合から自身の歴史や活動を短信で毎日、ICAのIYCサイトで紹介していくもので、400(2012年11月現在)近い報告が寄せられ、日本からは、日本生協連(東日本大震災支援と仙台白菜の植え付け支援)と労協連が紹介した東日本大震災支援のもちつきが掲載されている。
・その他、IYCに関して、ユーチューブやツイッターなどIT先端技術での国際的な交流も行った。
・2012年10月31日のICAマンチェスター臨時総会では、1年間の協同組合年(IYC)の様々な活動を概括するとともに、これらをベースに更なる協同組合の発展を育むために2020年までの「協同組合の10年(2011年~2020年)」が提唱された。
・2012年6月20日から22日までブラジルで開催された、国連持続可能な開発会議(リオ+20)で、「私達が望む未来」という成果文書(283項目で構成)が採択された。この文書には、持続可能な開発における協同組合の重要性について記載されている。
・この文書作成にあたって協同組合についての内容を組み込むために、ICAの政策部長が2012年1月より交渉を行っていたほか、ブラジル政府やカナダの協同組合からも働きかけが行われた。
・この文書では、協同組合は具体的に以下の3か所で触れられている。