IYC記念全国協議会は、平成29年2月22日、中小企業等協同組合法に基づき設立された「神奈川県綾瀬工業団地協同組合」と同組合の丸山理事長が代表を務める「有限会社光製作所」を視察する学習交流会を神奈川県中小企業団体中央会のコーディネートにより開催、有志9名が参加しました。
「神奈川県綾瀬工業団地協同組合」は、昭和44年11月に神奈川県綾瀬市内の事業者(機械器具及び金属製品製造業並びに化学工業等各種製品製造業)が、公害防止事業団(現(独)環境再生保全機構)の資金を活用して設立した協同組合で、現在23正会員と団地周辺の23賛助会員から構成されています。
組合の最大の目的は公害防止事業団から借りた資金の返済でしたが、完済後組合の役割は何かを模索される中、「全ての組合員やその従業員が共有できるもの」として「福利厚生事業と教育情報事業」を事業の中心に据えることで、団地内での組合の存在意義を高める努力をしてきたとのことでした。
組合は非営利団体ですが、その組合員である中小企業は営利を目的としています。組合に加入することにメリットがありませんと経営者は「時間とお金の無駄」と判断します。組合への求心力を如何に維持していくか、現在ある課題の解決だけでなく、未来像をイメージし組合を支える次世代育成のため、理事会傘下の各種委員会に全組合員、特に若手の参加を呼びかけ組合運営に参画してもらっています。
工業団地は移転することができませんので、地元(神奈川県綾瀬市)の関係を大切にしています。4月に綾瀬市と近隣の他の工業団地との共催で「合同入社式」を開催、入社後には合同研修会も企画しているとのことです。
丸山理事長が代表を務める「有限会社光製作所」は、昭和45年12年に創業、現在事業として、空調・環境機器用、児童セイ用、OA・電子機器用のプレス部品の加工、プレス金型の設計・製作、組立等を行い、平成16年12月に綾瀬工業団地に全面移転しました。プレス機械の音と油の臭いが「下町ロケット」の町工場を彷彿させる風景の中、私たちに身近な製品(新幹線の座席前のテーブル等)の組立では、メーカーからの厳しい基準をクリアするために日々努力されている職人さんの心意気を感じました。
普段なかなか目にすることができない「ものづくり」の現場と、それを支える組合の活動を視察でき、私たちの質問に理事長はじめ組合幹部の方が丁寧にご対応いただきました。
最後になりましたが、お忙しい中今回の視察をご快諾いただきました神奈川県綾瀬工業団地協同組合と有限会社光製作所、並びに視察手配等にご尽力いただきました神奈川県中小企業団体中央会にこの場を借りまして御礼申し上げます。