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千葉大学においてIYC記念全国協議会寄附講座「非営利市民事業と協同組合」第10~15回を実施しました。

千葉大学で開催し、3年目を迎えるIYC記念全国協議会寄附講座「非営利市民事業と協同組合」の第10回(12月15日)は、第9回のワーカーズコープちばの取組についてお話しいただいた菊地謙先生(同専務理事)の課題を承け、1)フードバンク活動が持続可能な事業となるために必要な方策、2)ワーカーズコープちばが子どもの貧困対策として習志野市から受託している学習支援活動に千葉大生の参加者を増やすためのアイデアという2点について、学生として何ができるのかを中心に、グループ討議が行われました。

第11回(12月22日)のグループ討議の報告では、フードバンク活動について、大口の施設配送に関わるのは難しいが、個別世帯の支援であれば放課後に自転車などで届けるなどの支援ができるという提案に対し、ボランティアとはいえ、強い責任を負うことができない学生が直接被支援者に関わるのは難しいのではないかと反論が出されるなど、活発な議論が交わされました。また、学習支援については、塾講師のような立場であればバイト代の高いところに学生は流れるので、教える側の大学生にとっても成長を促す「学びの機会」を提供したいという提案や、子ども食堂のように「教える‐学ぶ」という関係に限定しない「集いの場」という意味をより強く持たせることが大切ではないか?という意見が出されました。

第12回(1月12日)は、「福祉と生活協同組合」をテーマに、日本生活協同組合連合会福祉事業推進部長の山際淳先生から、少子高齢化という社会環境の変化が生み出す様々な問題について説明をいただきました。労働力人口の比率低下は、租税を通じた福祉国家の維持を困難にさせる一方で、高齢期ケアのニーズは今後も拡大し続けます。こうした人口構造の変化によって新しく生じる社会問題の解決に向けて福祉生協がどのような取組を進めているのかお話しいただきました。

第13回(1月19日)は、山際先生からいただいた「少子高齢化の下、地域での支え合いの仕組みをどう作るか」および「貧困化や格差解消のためにどのような取組が必要か」という2つの課題についてグループに分かれて学生同士のディスカッションが行われました。地域ごとの特性が少子高齢化の影響に違いを及ぼすということもあり、グループ毎に対象地域を設定し、より具体的な提案について考えてもらいました。

第14回(1月26日)は、グループ討議の発表が行われました。貧困問題の解決について、長期展望から教育の意義を指摘するグループと、目の前の貧困問題の解決を目指すグループとに分かれ、それぞれにバライティに富んだ解決策が示されました。地域における官民協働はもちろん、地域間の格差を是正するためには、自治体間での連携や支援などが必要であるという提案がなされるなど、問題を共有する範囲を広げるための施策を大切にしたいといった考えも出されました。

最後の第15回(2月2日)はこれまでの振り返りとともに、賀川豊彦についての映像資料を鑑賞しました。日本における協同組合運動の原点には、支え合いの仕組み作りによって貧困を解決したいという強い思いがあったことなど、それぞれの学生があらためて協同組合の存在意義について確認することで、今年度の授業が閉じられました。


第12回講義の様子

 

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