2014年9月30日(火)、IYC記念全国協議会の主催により、2014年度第1回「協同労働型の協同組合の法整備」学習交流会を日本労協連の会議室で開催、20人が参加しました。
永戸日本労協連理事長の挨拶の後、日本労協連が製作した映像「協同労働~映画ワーカーズへの招待」(30分)を視察した後、日本労協連岡安副理事長より「協同労働の協同組合法制化について」講演いただきました。
講演では、ICAの声明「定義・価値・原則」では語られない協同組合の本質、戦後の協同組合法制度論と協同組合機能は流通過程に位置付くとする戦後協同組合論(ワーカーズ協同組合を積極的に否定または無視する論調が主流)、ワーカーズ協同組合の再認識など(レイドロー報告、協同組合学会における論争)を踏まえ、協同労働の協同組合法制化の論点となっている「労働者性」「法制度おける準則主義」「マルチステークホルダー型の協同組合」などを協同組合の本質論よりお話いただきました。また、協同組合法制度整備にあたって既存協同組合法や既存労働法に埋没する傾向から脱皮することの必要性と、協同組合の包括的概念の形成、縦割りによる限界性の打破することの必要性について提起いただきました。
講演後、「協同組合は経済行為の団体であるが、経済機能の分析であってはならない。人のつながりによる社会的・経済的・文化的営みに位置する」と「協同組合の機能論vs.存在論・主体論」について質疑討論が行われ、あらためて協同組合は人と人のつながりの組織であり、今日国家や市場が人を幸せにしない(できない)社会情勢にあって、人を主体に置く協同組合の存在価値を認識する学習会となりました。
協同労働の法制化を求める運動は、法律の早期制定を求める意見書決議が853自治体(9月30日現在)へと広がり、また広島市では「協同労働プラットフォーム事業」(市の単独事業)が開始するなど着実に広がっています。IYC記念全国協議会としても、引き続き法制定の運動を支援していきます。
次回、学習交流会は来年2月頃に開催する予定です。