2011年10月31日にニューヨークで行われた国連総会で、国際協同組合年(IYC)が正式に始まりました。開始にあたっては、ポーリン・グリーンICA(国際協同組合同盟)会長をはじめ、日本を含む各国から協同組合の代表が集まり、協同組合の重要性を訴えました。
IYCをスタートする総会セッションは、議長のNassir Abdulaziz al-Nasser氏の開会挨拶で始まり、協同組合原則(自助・民主主義・平等・連帯)に基づく事業が、倫理的価値に重きを置きながら貧困削減や雇用創出に貢献してきた点を述べました。同様に、Asha-Rose Migiro事務次長やゴードン・ブラウン前イギリス首相も、壇上で協同組合の重要性を述べました。
国連総会ではグリーン会長も演説を行い、協同組合が他の事業体と同等に扱われるよう訴えました。「……第1に、組合員が所有する協同組合は、無視できない規模を誇る本格的な事業モデルです。したがって、協同組合独自の法的・財政的枠組が、政策などでしっかりと認識されることを求めます。第2に、組合員が所有する協同組合は、価値に基づく事業です。私達の価値観は事業に組み込まれているもので、年に1回『社会的責任』の報告書を書く為のものではありません。……協同組合が株式モデルと同等の振興策を得られるよう求めます。第3に、私達のガバナンス(統治)モデルは、人を中心に据えています。……世界経済はもっと多様であるべきで、組合員が所有する事業モデルである協同組合が、他の事業体と同等に扱われるよう求めます」。
総会の前後には、円卓会議や記者会見など、協同組合を世界に発信していく様々な企画が行われたほか、Global300という、世界で上位300の事業高をほこる協同組合のリストが発表されました。リストの中には日本の協同組合が数多く含まれています。Global300の報告書では、世界中の協同組合の売上高を合わせると、世界8位のロシアに次ぐ規模であることが示されています。
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