県段階の協同組合間連携の実態について

「東京の生協・協同組合学びの講座」が始まる

 2024年5月31日から6月1日にかけて、東京都生活協同組合連合会は「東京の生協・協同組合学びの講座」の第1講および第2講を1泊2日で開催しました。当日は、12の協同組合から中堅・若手職員を中心に25名が参加しました。

 今回で2期目を迎えるこの講座は、参加者が東京における様々な課題について学び合い、各生協や協同組合相互の政策推進や人材育成に役立てることを目的としています。2025年6月の第9講まで1年間にわたり実施され、参加者は組織の垣根を越えて交流を深め、互いに顔の見える関係を構築できる点が大きな特徴です。

 初日(第1講)では、「協同組合のアイデンティティ」について、法政大学大学院連帯社会インスティテュートの伊丹謙太郎教授が講演しました。伊丹教授は、「アイデンティティ声明に書かれていることは協同組合の共通項であり最小限のもの。具体的なテーマは個々の協同組合が実践を通じて考えるもの」というメッセージを伝えました。

 その後、参加者はグループに分かれて「各組織の共通点と違い」について話し合い、発表しました。共通点として多く挙がったのは「非営利性」や「個人相手の事業が中心であること」、一方、違いとしては「組合員の属性」や「出資配当の方法」などが挙げられました。

 翌日(第2講)では、2つのグループワークが行われました。前半のワークでは「クイズをつくろう」という課題に参加者が取り組みました。同じ分野の組織でグループを形成し、自分たちの組織に関するクイズを問題と解答だけでなく、背景や出題意図も添えて作成しました。

 続く後半では、「クイズの回答を集めよう」をテーマに、異なる組織でグループを形成し、前半で作成したクイズを相互に出し合いました。このワークの狙いは、得られた回答から「なるほど!」というひらめきの体験(AHA体験)を得て学びにつなげることでした。

 最後に各グループからベストクイズ・ベストアンサーが発表されました。伊丹教授から「ワークを通じて組織の愛称や商品の呼び名など背景を知ることができたと思う。クイズの正解・不正解は重要ではなく、そこに込められた思い、なぜそうなったのかという理由を考えることが大切です」と講評が述べられました。

 次回の第3講は2024年8月に賀川豊彦記念松沢資料館(東京・世田谷区)で「賀川豊彦から学ぶ東京の協同組合」をテーマに開催される予定です。