農山村再生の実践
農山村再生の実践
小田切徳美 編著 定価2,800円(+税) A5判上製/296ページ
農山村の現場で着実に生まれ始めた地域再生への数々の取組みと政策当局の現場で重視され始めた様々な政策を分析し、それが持続する諸条件を浮き彫りにし、農山村と地方全体の再生の戦略的実践方向を提案。それは、地方都市の再生に応用できるものも少なくないことを明らかにする。
【目次】
小田切徳美 編著 定価2,940円 A5判上製/296ページ
1.国民的課題としての「東京一極『滞留』」からの脱却
2.日本農業の「西日本中山間地域化」——農山村における空洞化の進展と広がり
3.政策要因による空洞化の加速——本書の「今」とは?
4.課題先進地域としての農山村問題——本書のもう1つの課題
◆第1部 新しい農山村コミュニティの創成
第1章 新たな農山村コミュニティの実態と性格
1.はじめに——なぜ、農山村コミュニティか
2.農山村コミュニティの先発事例——川根振興協議会
3.新しい農山村コミュニティの特徴と性格
4.新しい農山村コミュニティの課題
第2章 地域共同売店の実態と持続可能性
1.課題の設定——農山村における「買物難民」の存在と地域共同売店
2.沖縄以外の地域共同売店の性格
3.沖縄の地域共同売店
4.考察
5.おわりに
◆第2部 農山村における新しい産業の構築
第3章 地域農業・農村の「6次産業化」とその新展開
1.「6次産業」論の諸潮流と現在——課題の設定
2.6次産業化の現段階——類型化と事例
3.6次産業の新たな展開実態と性格
4.6次産業支援の課題——「地域ブランド」創造へ向けて
第4章 高齢者による「小さな経済」の効果とその条件
——「小さな経済循環」形成の必要性
1.はじめに
2.福島県鮫川村と「まめで達者なむらづくり事業」
3.福島県鮫川村「まめで達者なむらづくり事業」の仕組みと内実
——大豆の生産・加工・販売を中心に
4.高齢者による「小さな経済」の効果とその条件
——「小さな経済循環」形成の必要性
第5章 「交流産業」の形成条件
1.本章の課題と方法
2.「地域づくり型」交流産業の展開——長野県飯田市
3.「地域産業型」交流産業の展開——長野県飯山市
4.交流産業化における「中間組織」の役割
5.総括と今後の課題
第6章 新しい地域産業の形成プロセス
——何から始め、どのようにステップアップすべきか
1.はじめに
2.農山村地域における新しい地域産業の取組み
3.農山漁村地域における新しい地域産業構造への道筋
4.今日の新しい地域産業のもう1つの発展方向
5.まとめ
◆第3部 農山村支援政策の新展開
第7章 農山村再生策の新展開
1.地域づくりの性格とその支援策の基本方向
2.新しい地域再生支援策——その事例
3.支援主体のあり方——地方自治体と中間支援組織
4.国レベルの新たな地域再生策の特徴
5.民主党新政権における展望
第8章 人材支援と人材形成の条件と課題——「補助金から補助人へ」の意義を考える
1.はじめに——再注目される地域マネジャー
2.「集落支援員」の取組み概況
3.「補助人」の役割を担う「地域マネジャー」の実態
——島根県浜田市弥栄地区における実態から
4.既存の地域振興組織における集落への関与
5.「集落支援員」と地域振興組織との役割分担の現状
6.人材支援・人材形成に求められる条件
7.残された分析課題
第9章 集落・地域を対象とした農林水産政策の展開動向と課題
——各種の交付金制度に注目して
1.はじめに
2.3つの制度の概観
3.制度の共通点
4.制度の相違点——実施背景に関する考察
5.制度の意義と展望
6.制度への評価——「事業仕分け」における議論を手がかりに
7.集落協定範囲に関する考察——離島漁業再生支援交付金制度の実態
8.制度に関する協同組合の関与と役割
9.おわりに
◆第4部 農山村再生の展望とJAの可能性
第10章 農山村再生の展望と論点
1.農山村再生を論じる視点
2.農山村再生の実践——第1・2部をめぐり
3.農山村再生の体系化と支援策
第11章 農山村再生とJAの可能性
1.はじめに
2.JA全国大会議案にみる「地域の再生」
3.「新たな協同」の潮流
4.「新たな協同」と「小さな自治」
5.農山村再生とJAグループの可能性
6.おわりに