時間はある、と捉えたい(にじ 2014年 冬号 No.648 オピニオン)
時間はある、と捉えたい
比嘉 政浩
にじ 2014年 冬号 No.648
冷蔵庫から出てくる
本誌が皆さんに届くころ、総選挙の結果が明らかになっているでしょう。衆議院の解散が現実のものとなるまで、規制改革会議に端を発した「農協改革」は、「年内取りまとめ、年明け国会で農協法改正」と言われていました。総選挙が決まり、与党国会議員は「この課題は冷蔵庫に入れる」。適切な表現です。当面取り扱わない、しかし無くならない、時期が来ればそのまま出てくる・・・そして、いよいよ冷蔵庫から出てきます。
政府は、協同組合のことを自主・自立の組織ではなく、政府の持ち物と思っているかのようです。JAグループが望まない農協法改正について具体的な議論が始まります。
短期決戦
法改正ですから政府が提案し国会が決めます。時間はありません。息が詰まるような時が始まります。私に何ができるかわからない。緊張感をもって臨みたい。
5年をかけてすべてを
しかし、政府はすべての農協法改正を年明けの今国会でやろうというのではありません。数多くの事項を掲げ「5年間を集中改革期間とする」としています。
これまで取り上げた事項はすべてやるという姿勢です。不気味な執念を感じます。
時間はある、と捉えたい
しかし、私は、時間はある、と捉えたい。JAグループを解体しようとしても、組合員や地域の方々がそれに反対されれば、そう簡単にはできません。また、意図しない法の内容であっても運用するのはわれわれです。JAグループ役職員の闘いは、素晴らしい協同組合を創ること、JA綱領が掲げる姿の実現です。
1~2年、緊張感をもって取り組めば、組織のあり方は相当に変えられます。自らが担う業務について、組合員・現場目線でもう一ランク高見を目指しましょう。
何よりも、その姿勢が伝わります。
何度も節目が来る
おそらく、これから数年間のうちに、何度も大きな節目が来るでしょう。もし、その日まで看過してしまった宿題があれば、その度にそれがわれわれの足かせになるでしょう。
将来を決める数年間
今般の危機を良い契機にすることができなければ、JAグループの将来像は描けない。将来を決める数年間になる。その思いで日々の業務にあたりたいと思います。