都道府県協同組合連携組織全国交流会議 スピンオフ企画第3弾「災害支援」開催しました
JCAでは、11月13日(金)、第3回目となる全国交流会議のスピンオフ(派生)企画として、「災害支援」をテーマに、「全国災害ボランティア団体支援ネットワーク(JVOAD)」と「長野県協同組合連絡会」、「広島県協同組合連絡協議会(HJC)」の3つの団体をお呼びし、オンライン学習会を開催し、協同組合全国組織、県連携組織、協同組合研究組織から23名が参加しました。
まず、JVOAD災害担当の千葉様より「災害発生時の情報共有の重要性と日常的な関係性の構築」というタイトルで基調講演をいただきました。講演では、災害支援は「災害発災直後の応急対応」から「復旧、復興」へと求められる支援は時と共に変化し、求められる役割も変わること、そのためには時々刻々と変化する状況を把握するための「情報共有」が欠かせないこと、そして、緊急時の円滑な対処には「平時からの関係性づくり」が重要であることが説明されました。
事例報告では、長野県協同組合連絡会の中谷様より、一言に農業ボランティアといっても、実は産業支援であり、本来の災害ボランティアの範疇ではないため、簡単にできないこと、そのために別のプロジェクトを立ち上げ、災害支援で集まったボランティアを「農業ボランティア」へつないでいったこと、災害が起こる2年前からネットワークづくりに取り組んでいて、その矢先に起こった災害だったこと、など全国交流会議では十分に伝えきれなかったことを中心にご報告いただきました。
HJCの福島様からは、3年前の西日本豪雨災害の教訓を生かすため、各協同組合の取り組みの報告会(シンポジウム)を開催したところ、「もっと互いに連携していればよかったのではないか」という反省が生まれ、そこから、協同組合学校での学習会、災害時における連携協定や覚書の取り組み、ネットワークの形成など、現在模索していることについてご報告をいただきました。
各報告の後のクロストークでは、普段からの連携というのは近所付き合いのようなものでよく、災害だけでなく様々な地域の悩み事を気軽に相談するような場でよいこと。支援するという立場だけではなく、「支援を求めることができる(受援力)ことも大切」であることなど、JCAが呼びかけるラウンドテーブルにつながるような示唆もでてきました。
また、参加者相互の質疑・意見交換では、事前の場づくりの重要性や、ここに協同組合があると組合員に伝える広報の大切さ、全国連の役割など、これからの協同組合連携にもつながる意見が出た他、情報共有には新しいテクノロジーの活用が有効であること、災害支援は5年以上かかる継続的な活動であること等を学ぶことができた有意義な会になりました。
災害時のネットワークを有するのは16都道府県で、国ではこれを30都道府県に増やす計画を立てており、今後各地で災害支援ネットワークが立ち上がっていくことになります。この機会に各県の協同組合連携組織もしくは加盟団体がこのネットワークに参加することで、県連携組織を介して情報を共有し、災害時に協同組合が連携して地域へ貢献できるようになるのではないか、そんな可能性を感じる会となりました。
以上