〈コロナに負けるな!〉 新型コロナウイルス感染症に対する協同組合の取り組みについて (概要報告Ver.2)
新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)により、現在も影響を受けられている皆さまに、心からお見舞い申し上げます。また引き続き、医療・福祉をはじめ国民の健康やくらしを守るため、日夜奮闘されている皆さまに、心より敬意を表します。
各地の協同組合では、地域のくらしと経済を支えるために、今も新型コロナへの取り組みを継続しています。それらについて、5月18日に続き概要を報告します。(JCA 1号会員団体からの情報をもとに、JCAでまとめたものです。)
- JAグループの取り組み
・【JA全中】JAグループの厚生連病院では、新型コロナに感染された方などへ懸命な医療活動を行っています。JA全中は、地域医療を守るため、厚生連病院への支援や防護具の確保など、医療従事者が安心して業務を行うことができる環境づくりへの支援を目的にJAグループの組合員・役職員による支援募金活動を実施しています。JAグループ地域医療支援募金については下記より。
https://org.ja-group.jp/donation/
また、JA全中はホームページ上で下記のとおり発表しています。
5月14日「新型コロナウイルス感染拡大下におけるJAグループ各組織における事例」
https://www.zenchu-ja.or.jp/wp_zenchu/wp-content/uploads/2020/05/up20200513091212565.pdf
5月14日「JAグループ独自の消費拡大の取り組み」
https://www.zenchu-ja.or.jp/wp_zenchu/wp-content/uploads/2020/05/up20200514015127777.pdf
さらにJA全中は、人手不足の農業現場に対応するために、県域のJAグループによる求人サイトをまとめた「JAグループ農業求人ポータルサイト」を開設しました。ポータルサイトは下記より。
https://agri.ja-group.jp/support/jobsite
・【JA全農】販売事業を担っているJA全農では、新型コロナによる国産農畜産物の消費拡大対策として、通販サイト「JAタウン」で、需要低迷が顕著な和牛・果実・乳製品・花きなどの450アイテムについて送料無料キャンペーンを実施しています。JAタウン送料無料キャンペーンは下記より。
https://www.ja-town.com/shop/e/ejaouen/
・【家の光協会】「家の光」「地上」などJA組合員向け情報誌を発行する家の光協会では、「家活(いえかつ)でコロナに負けるな!」と題して、特設ウェブサイトを開設しています。自社誌の記事をもとにして、7つジャンルのコンテンツからなる有益な情報を広くお届けしています。特設ウェブサイトは下記より。
http://www.iekatsu.net/
・【農協観光】政府発表の「外出自粛の段階的緩和の目安」に基づいて、自社指針の内容を刷新しました。さらに旅行業ガイドラインに基づいて作成した自社ガイドラインをわかりやすく可視化したものを作成しました。またお客様配布用として、わかりやすい「コロナ対策イメージ」を作成しました。
- 生協グループの取り組み
・【日本生協連】各地の生協では、学校給食休止の影響を受けた酪農家支援、需要が低迷しているそれぞれの地域の地元産品の利用促進キャンペーン、フードバンク・子ども食堂支援、医療福祉生協への手作りマスクのお届け支援、特設サイト開設によるおうち生活支援、医療機関・共同募金会・ユニセフ募金などへの寄付・支援など幅広い取り組みを行っています。また日本生協連では、「新型コロナウイルス感染症についてのアンケート第2弾」を行い、新型コロナによるくらしや宅配利用などの購買活動の変化について調査し、結果速報をホームページで開示しています。結果速報は下記より。
https://jccu.coop/info/newsrelease/2020/200604_01.html
・【大学生協連】新型コロナ状況下での組合員大学生の実態を理解し、大学生協として今後の大学生活向上を支えていくために、第2弾「緊急!大学生向けアンケート」を行い、その結果をホームページ上に公開しています。アルバイト収入の減少による不安、オンライン授業への意見や就職活動に対する不安などの声が寄せられています。回答速報は下記より。
https://www.univcoop.or.jp/covid19/recruitment/index.html
- 医療福祉関係の協同組合の取り組み
・【全厚連】全国各地の厚生連病院などで、新型コロナウイルス感染症患者の受け入れや外来でのPCR検査などを行っています。また全国のJAグループや関連団体から、寄贈されるマスク、防護用品や従事者用の食品など様々な物資を、各県の厚生連の不足状況を勘案のうえ提供しています。しかし新型コロナによる影響で、予定入院の延期、一般外来診療の縮小、巡回検診の延期などによって経営の悪化が懸念されています。
・【文化連】「病院経営状況緊急調査」により、病院経営は著しく悪化しており、特に新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた病院の経営状況の悪化がより深刻であることが明らかになりました。また感染予防対策品の流通状況から、共同購買事業による値上げ幅を極力圧縮し、品質を維持した製品の安定供給に努めました。予約購買によるPB商品が安定していることから、今後の対応を検討しています。
- 金融関係の協同組合の取り組み
・【農林中金】融資・出資などの金融対応として、JAバンク・JFマリンバンクで低利融資の取り扱いを開始し、既往貸出金の返済条件の変更を含めたご相談に対応しました。農林中金では、「新型コロナウイルス感染症対策緊急資金」による農業法人などの資金繰り支援を行いました。金融対応以外では、他のJAグループと連携して農畜産物などの販路確保支援を行うことで、農事法人などの余剰在庫の圧縮に貢献しました。
- 共済関係の協同組合の取り組み
・【JA共済連】共済金支払い対象の拡大、掛け金の払い込み猶予、特別貸付などを行ってきましたが、新たに地域貢献活動として、医療従事者・介護従事者へのマスク・フェイスシールドを寄贈しました。また、農水省と連携して国産農畜産物の消費拡大、食育の促進を目的としたコンテンツを制作し、SNS、家の光誌などで情報発信しました。さらに外出自粛対策として、おうち時間の「お役立ちコンテンツ」、「親子でできるレインボー体操」を紹介するコンテンツや介護予防のための「転倒防止体操」動画コンテンツなどのサイトを公開しました。
・【コープ共済連】新型コロナウイルス感染症患者のために、共済掛金の支払い猶予期間の再延長、入院共済金の支給対象範囲の拡大、また「新型コロナウイルス感染症」を「不慮の事故とみなす感染症」として取り扱うことなどを行いました。
- 漁協・森林組合などの取り組み
・【全漁連】飲食店などの営業自粛による需要の減退などによって、全国的に魚価が約3割程度下落しました。全漁連は国に対する支援策の要望なども行いながら、①「鮮魚ボックス」などの仕入れサイト販売、②漁協食堂の臨時休業期間の直売所サイト販売、③都市型八百屋「旬八青果(㈱アグリゲート)」での鮮魚販売、④燧灘(ひうちなだ:北四国海域)でのワカメの試験養殖など、様々な販売・生産対策を講じました。
・【全森連】会員団体へ「新型コロナウイルス感染症による林業・木材産業への影響」について照会を行いました。これらの会員から要望や報告をもとに、全森連は与党・政府に対し、①輸入原木対策、②保育間伐などの集中実施、③路網整備推進などとともに、補正予算要請を行いました。その結果、①輸出原木保管費用などの支援、他金融対策、②国産原木保管費用などへの支援拡大やその他事業費に対する定額補助などが措置されました。