C20サミットの政策提言文書で協同組合の役割が認められる。
2019年6月に大阪で開催されるG20サミットに先駆けて、各分野のステークホルダーによるエンゲージメント・グループが形成され、それぞれのテーマで優先課題が盛り込まれるよう提言を発表しています。
この一環として、国内外のNGO・NPO・市民団体等によるC20サミットが2019年4月21日(日)〜23日(火)に東京都内で国内外から300人を超える参加者のもと開催され、そこで採択された政策提言書の中で協同組合が明記されました。政策提言書は今年のG20サミット議長である安倍首相に手渡されました。
C20では、反腐敗(Anti-Corruption)、教育(Education)、環境・気候・エネルギー(Environment, Climate and Energy)、労働・ビジネスと人権(Labour, Business and Human Rights)など10のワーキンググループが設立され、議論を行ってきました。協同組合からは日本労協連(ワーカーズコープ)が参加し、様々な提案を行ってきた結果、今回の成果につながりました。
政策提言書は、これらのワーキンググループで議論されたテーマにもとづいて取りまとめられたもので、協同組合の役割について以下の3か所で言及しています。
- 「平和、人権及び民主的体制に関する東京宣言」(Tokyo Declaration on Peace, Human Rights and Democratic Governance)における提言の項目G(英文6ページ)
ここでは、科学・技術の発展を統制するため、政府間プロセスを確立すべきとしています。そのためには、国家レベルでのステークホルダーとの連携が必要で、労働者の再訓練、教育体系のアップグレードのほか、プラットフォーム協同組合のような新たな形態のデジタル所有を支援すべきと提言しています。
- 「国際金融構造」(International Financial Architecture)における「金融統制及び金融包接」(Financial Regulation and Financial Inclusion)に関する提言の項目f(英文40ページ)
ここでは、女性の金融包摂、農村経済や中小企業、非公式部門、困窮者、そして疎外された人々全体への資金調達を実現のために協同組合銀行など多様性のある銀行システムを確保するよう求めています。
- 「労働・ビジネスと人権」(Labour, Business and Human Rights)における「ディーセントな雇用を促進するための政策」(Policies to Support Decent Employment)に関する提言(43ページ)
労働市場で恒久的に置き去りにされる危険性が高い青少年の割合を2025年までに15%減らすという目標に向け、あらゆる組織形態(雇用、自営業、協同組合運動等)による青少年雇用の保護システムを採用することを提言しています。