群馬県の協同組合間連携 フートピア21職員交流会が開催されました
群馬県の協同組合間連携組織であるフートピア21委員会(唐澤透委員長)は、8月21日(火)群馬県JAビル会議室において、フートピア21職員交流会を開催しました。交流会には農協、森林組合、生協の職員をはじめ、フートピア21役職員、日本協同組合連携機構(JCA)講師など35名が参加し、学習と交流を深めました。
JA群馬中央会総合企画部楢原俊彦部長(フートピア21委員会事務局長)が司会進行にあたり、冒頭JA群馬中央会藤井啓太郎専務理事(フートピア21委員会委員)が主催者を代表してあいさつを行いました。
藤井氏は、今夏の猛暑で農産物に多大な影響が出ていることなどにふれながら、群馬県の協同組合間連携組織であるフートピア21の紹介、今回初めて職員交流会を開催するに至った経過などを報告し、あいさつしました。続いて群馬県生協連斎藤剛専務理事があいさつし、協同組合連携は人と人とのつながり、顔が見える関係が大事、楽しく実りある交流会にしたいと呼びかけました。
交流会の基調講演として、JCA協同組合連携部前田健喜部長から「JCAの発足と今後の協同組合間連携について」、JCA協同組合連携部横溝大介主任研究員から「協同組合間の連携事例と実態調査の報告」と題してそれぞれお話しいただきました。
前田部長は、自己紹介に続き日本の協同組合を紹介し、貧困、雇用、高齢者、過疎化、担い手不足、地域生活を支える社会の力の弱体化などの状況とJCA発足の経過と課題について解説しました。次いで協同組合に期待が集まっていること、「持続可能な開発目標(SDGs)」において協同組合が果たすべき役割、格差や社会的孤立の問題の解決を展望する協同組合の理想など私見を交えながら、協同組合間連携を社会的役割発揮に活かしていくことの重要性を強調しました。
続いて報告に立った横溝氏は、茨城県での子どもの居場所づくり、北海道でのお魚殖やす植樹運動、長野県での生活クラブ連合会とトマト農家を結ぶ地域農業支援などの事例を紹介し、全国の協同組合間連携の状況、成果や課題、悩みなどの調査結果、各県の協同組合連携組織の紹介をし、「競走・競争・狂騒」の社会でなく、「共創」の社会を実現するための取り組みを地域から進めていこう、と結びました。
横溝氏は引き続き『地域での「SDGs」達成に向け、協同組合ができること』をテーマにグループ討議を提起しました。
グループ討議では、参加者が5つのグループに分かれ、SDGsの17の目標からすでに実施していることやこれからやりたい取り組みを出し合い、「協同組合連携」で出来そうなものを出し合おうと討議が進められました。
討議後の各グループの発表の要旨は、以下の通りでした。
Aグループ:協同組合のお互いを知ることが大事と話し合いました。祭りや行事などのコラボができるとよい、実行委員会をつくり、スポーツ大会を開催したいなどの意見が出ました。SDGsは、自分たちが当たり前のようにやってきたこと、時代が追いついてきたんじゃないかと話し合いました。
Bグループ:お互いのわからないところを話し合うことから討議を始めました。他の団体のお年寄りや子どもなどの情報を共有化して事業につなげていったり、広報活動や催しものを共同で行い、その中で営業内容の発表などができれば良い。今日参加した担当者間でこれからも意見交換できればよいと話し合いました。
Cグループ:山間部に宅配や移動販売、生産余剰物をフードバンクやJA・生協で販売、竹林の伐採により出るチップを捨てているが発酵させて乳酸菌を増やすと果物を甘くするので活用できないか、JAの広域合併で空いている施設を協同組合間で有効活用、など話し合いました。お互いを知り合える場がもっと欲しい。
Dグループ:(SDGsの)複数の項目にまたがる意見が多かったです。宅配や移動販売と地域の見守りは連携により地域の異常を発見できる。雇用の合同説明会やイベントを合同でやる意義はあると思う。共同のメリットは、山から里、農業、食べ物、そして販売とストーリーの説明がしやすい、と話し合いました。
Eグループ:それぞれが何をやっているかを出しあいました。農業も林業も担い手不足が顕著で、第一産業全体で労働力の共有ができたらと思います。林業が忙しいのが夏冬と期間が限られていて、農業も品目にもよるが米などはある程度期間が限られる。そういうのをまとめていくのもありでは、と話し合いました。
グループ発表を受けて講師前田部長からは、「お互いのやっていることを意外に知らなくて、それを知ることができたれたということが良かったというお話がありました。人としても知り合えて、これから相談しながらやりとりできるような感じになれたのではないでしょうか。『SDGsは時代がわれわれに追いついたのだ』というお話は、ちょっとこれは使わせていただきたいと思いました。グループ発表は全体が財産と思います。大変ありがたく思いました。」と講評がありました。
以上