県段階の協同組合間連携の実態について

協同組合ネット北海道が北海道大学で「協同組合を学ぶ」講座を実施

 北海道の協同組合など16組織で構成される協同組合ネット北海道は、2023年度に引き続き、北海道大学(大学院農学研究院 小林国之准教授)と連携して『一般教育演習(フレッシュマンセミナー)北海道のフィールドで協同組合を学ぶ』を2024年8月6日から9日に実施しました。講座には対象の1年生30人が参加しました。

 この講座は、北海道の農山漁村・地域における社会経済的課題について、協同組合がその解決にどのような役割を果たしているのかについて、座学およびフィールドでの学びを通じ、学生自らが課題を発見しその解決策を考える力を身に着けることを目的とし、協同組合ネット北海道が昨年に続き、各協同組合が連携・協力して行っています。

 前半は1泊2日で各地の協同組合を訪問しました。JAで「でんすけすいか」など最先端の農産物の選果施設などを見学。森林組合では、北海道内有数の施設で木材加工の工程の説明を受け、町・森林組合・JAが連携しJA育苗施設で町有林の植林用苗(クリーンラーチ)の栽培を行っていることも学びました。

 漁協では競りの見学やマイナス30度の製氷施設を体感、パールライスの工場では精米過程、生協では移動販売が地域の食品供給に役割を果たしていることなどを学びました。学生は、それぞれの現場で働く職員の方々から熱心に話を聞き、活発に質問を交わしました。

 

<訪問先協同組合>

1日目 JA当麻、当麻町森林組合、コープさっぽろ・トドック旭川西センター
2日目 北るもい漁協、ホクレンパールライス砂川工場、コープさっぽろ・移動販売「カケル君」

 

 後半2日間は大学の教室で、協同組合ネット北海道を構成する14の協同組合組織から事業と組織の成り立ち、地域課題解決に向けた取り組みなどについて講義が行われました。

 フィールド研修と座学を通して、学生は協同組合の多様な活動に触れることで、競争原理とは異なる「助け合い」「お互い様」といった協同の理念について理解を深めることができ、次世代の若者の育成に貢献すると共に、協同組合への関心を高める機会となりました。

 

参加した学生の声(一部)

〇こんなにいくつもの団体のお話を聞いたり視察できることは本当にないと思うので、とても貴重な体験だった。講義前は協同組合がどういうものなのかさえよくわかっていなかったが、学ぶことがとても多く、協同の精神は自分にとってすごく心地よく感じた。自分の将来を考える上でも、協同組合で働くという選択肢も考えていきたいと思った。
〇直接視察できることはとても刺激的でよかった。今思い返してみても、座って話を聞いている時間よりも実際に近くで実際のものを見た記憶の方が鮮明に残っているので、校外で学習することの良さに気がついた。
〇協同組合というものがどういったものなのかということや、付加価値をつけて生産者のためになる工夫がなされていることを知ることができて良かった。

 

 なおIYCの取り組みの一環で、大学での協同組合に関する講座の事例を紹介する「大学寄付講座等拡大に向けたシンポジウム」が2024年10月25日(金)に開催されます(主催 IYC2025全国実行委員会)。ZOOMによるリモート配信でどなたでも参加いただけます。シンポジウムの詳細・申し込みはこちらをご覧ください。