第102回国際協同組合デー記念中央集会 開催報告
1.開催概要
2024年7月9日(火)、日本協同組合連携機構(JCA)は、本集会の準備事務局に参加する会員団体12団体とともに、こくみん共済ホール/スペース・ゼロを実会場としつつ全国をオンラインでつなぐハイブリッド形式で第102回国際協同組合デー記念中央集会を開催し、会員団体や全国の協同組合役職員をはじめ、協同組合関係者やメディアなど約300名(オンライン含む)が参加しました。
2.国際協同組合デー
国際協同組合デーは、協同組合の認知を高め、国際連帯、経済的効率性、平等、世界平和という協同組合運動の思想を普及することを目的とし、国際協同組合同盟(ICA)の呼びかけのもと、毎年7月第1土曜日に行われています。1923年にスタートし、1995年に国連の国際デーの一つにもなりました。第102回となる今年のデーの世界共通テーマは、ICAと国連関係機関により「協同組合はすべての人によりよい未来を築きます」とされました。
3.国際協同組合デー記念中央集会
(1)集会テーマと流れ
今年の国際協同組合デー記念中央集会は、協同組合の定義などを定める「協同組合のアイデンティティ声明」をめぐる議論や、JAや行政などと協業する協同組合の取組事例などを学びました。また、グループ交流をつうじて、参加者それぞれが感じた学びを共有しました。
集会冒頭では、山野徹JCA会長(JA全中会長)の開会挨拶、会場を提供いただいた打越秋一こくみん共済coop理事長による挨拶のあと、日本生協連前田グループマネージャーより1月に発生した能登半島地震の対応について報告いただきました。そして国際協同組合デーを祝したアリエル・グアルコICA会長によるビデオメッセージが放映されました。続いて、JCAの前田健喜部長による国内外のアイデンティティ議論についての解説がおこなわれ、その後、協同組合のアイデンティティを発揮してすべての人にとってよりよい未来の構築に取り組む3つの実践事例が報告されました。最後にグループ交流つうじて、参加者および登壇者との意見共有がおこなわれたのち、新井ちとせJCA理事(日本生協連副会長)の挨拶で閉会しました。
(2)実践報告①-庄内ローカルSDGs 参加する暮らし「TOCHiTo」-
実践報告の1つ目では、生活クラブ事業連合生活協同組合連合会の伊藤由理子顧問より、生活クラブと庄内地域行政や協同組合の相互連携により、庄内地域の持続可能な開発目標を推進し、地域社会の発展をすすめている事例が報告されました。
(3)実践報告②-協同労働による地域共生社会への試み-
2つ目は、労働者協同組合コモンウェーブ山浦代表理事による地域共生社会の実現に向けた協同労働の事例報告でした。共同体感覚をもちながら地域の困りごとの解決を図りつつ、雇用の創出を図っていくことなど、協同労働の取組をお伝えいただきました。
(4)実践報告③-協同組合を通じた女性の経済的エンパワメント-
3つ目は、日本労働者協同組合連合会中野理事務局長より、インドの自営女性協会(SEWA)についてご紹介いただきました。また、SEWAからはビデオメッセージにて、取組を通じた学びや進むべき道について報告がありました。
(5)参加者と登壇者をつなぐグループ交流
後半は、グループ交流がおこなわれ、会場とオンラインの参加者がそれぞれ小グループに分かれて参加者同士での実践報告の感想の共有が図られました。
グループ交流では各グループで参加者それぞれの受け止め方が共有され、協同組合間での積極的な交流が見られました。また、各グループまとめた意見をもとに、登壇者との意見交換もおこなわれ、デー参加者が一体となって協同組合のアイデンティティを考える場となりました。