ケニア貯蓄信用協同組合の視察を受け入れ
2024年6月3~10日、「ケニア貯蓄信用協同組合中央会(KUSCCO)」の視察団が日本の協同組合金融の多様な事業内容や革新的金融ソリューションを学ぶため来日しました。
ケニアには2023年末時点で27,500を超える協同組合があり、組合員数は1,400万人を超えます(ケニアの人口は約5,400万人)。KUSCCOはケニアにある6,300の貯蓄信用協同組合(SACCO)の65%にあたる4,100組合を会員とする全国中央会です。1973年に設立され、全国のSACCOを代表して政策提言を行うことを中心に、金融機能も持ち、会員への教育・研修なども行っています(ただし、金融機能は分離する方向で検討中)。今回は、KUSCCO会員の7つのSACCOの役員等34名が来日しました。
JCAでは、KUSCCO視察団の来日に際し、ケニア側との連絡調整を担うとともに、訪問受け入れに関し国内の協同組合組織との連絡調整を担いました。協同組合に関する研修・視察は6月5・6日に行われました。
6月5日はJCAで視察団を受け入れ、比嘉政浩専務からの歓迎挨拶ののち、CI・国際・研究チームの前田健喜部長、栗本昭特別研究員から、日本の協同組合の概要や法制度、協同組合金融の一形態としての労働金庫の概要について説明し、視察団と意見交換を行いました。
〈JCAで日本の協同組合全般について研修(6月5日)〉
6月6日の研修は全国信用組合中央協会(全信中協)にご協力いただき、視察団は同日午前、東京・四谷にある第一勧業信用組合の本館を訪問し、調査部の境裕治部長から、地域おこしやコミュニティーサポートに携わる同組合の業務内容について説明を受けるとともに、本館内を視察し業務について説明を受けました。同組合の扱うコミュニティ・ローンについて多くの質問が出されたほか、金融におけるテクノロジーの活用などについても質問が出されました。
同日午後は、東京・京橋の全国信用組合会館に移動し、全信中協調査企画部の小川元利ACCU担当部長から日本の信用組合の仕組みについて説明を受け、参加者からは、資金決済の仕組みやDXへの取り組みなどについて多くの質問が出されました。最後に、全信中協の北村信理事長が挨拶し、全信中協が取り組む「中期戦略的事業計画」について説明を行い、計画実行にあたっての中央組織と会員信用組合とのコミュニケーションの重要性を強調しました。
〈第一勧業信用組合を訪問し、同組合の業務について研修・視察(6月6日午前)〉
〈全信中協にて日本の信用組合について研修(左)視察団と北村信全信中協理事長(右)(同日午後)〉
(写真は全信中協からご提供いただきました)
視察団は同日夕方、JCA会議室にて、医療福祉生活協同組合いばらきの古山均理事長から、活発な組合員活動による運動、食生活改善、社会的つながりの維持を通じて、生活習慣病の予防と健康づくりに取り組む同生協の取り組みについて説明を受けました。
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