県段階の協同組合間連携の実態について

沖縄県の協同組合が連携し琉球大学で「協同組合論」を開講

 2024年2月、沖縄県内の協同組合組織が協力し、琉球大学の学生を対象に講座(科目名:「協同組合論」、担当教員:国際地域創造学部 高畑明尚教授)を開講しました。この講座には約60名の学生が出席しました。

 本講座では、少子高齢化の進展や格差の拡大など地域社会の疲弊が進む中、持続可能な地域社会を創るうえで、共同で所有し民主的に管理する自治的な経済組織として期待されている協同組合について、国内外のいろいろな協同組合の歴史や現状、また持続可能な地域社会づくりを進めるうえでの協同組合の役割と可能性など、沖縄県内の協同組合の役職員からの「講義」と、それら授業を踏まえた受講生から講師団体への提案・アイデアなどの「ディスカッション(ロールプレイング)」を交えたアクティブラーニング形式で展開されました。

 高畑教授は「世界の中で重要かつ大きな役割を果たしているNPOや社会的企業、連帯経済などの中でも、特に協同組合が大きな貢献をしています。これを勉強し、社会人になった時、または社会人になるための活動に役立ててください」と呼び掛けました。

 受講した学生から講義については、

「協同組合についてはこの講義を受ける前は全くの知識がなかったが、この講義を受け、株式会社などとは違い、利益も出しながら、地域に必要なことを行なっているということを学び、私もこのような活動には興味があるので、とても勉強になりました」

「協同組合っていうものがどういうものか全くわからなかったものがこの講義を通して、地域の人が地域の為に活動する団体ということが伝わり、いいイメージに変わった」

「協同組合については、生活を保障する組織という曖昧なイメージしかなかったけど、地域に根ざしたボランティアや支援などを行っていることを知らなかったので、こんなに魅力的なお仕事をされていることを知ることができてよかった」

 また、「ディスカッション(ロールプレイング)」については、

「どの組合も私たちの提案と課題に真剣に耳を傾け、適切なアドバイスをしてくれました。これが協同組合に対する理解を深めるきっかけになりました。」

「自分たちの提案を出すことで、それが好評だったり、問題点があったりして、多くのことを考える機会となりました。これまで企業の方と話す機会がなかったので、非常に勉強になりました。」

「提案をした際に、考えていなかった点を指摘され、自分の思考がまだ足りないと感じました。しかし、皆さんが私たちの提案を褒めたり、新たな提案を加えたりしてくれたので、楽しく意見交換ができたと思います。」

などのコメントが寄せられました。

講義の様子(コープおきなわ)
講義の様子(JAおきなわ)
講義の様子(JA共済連 沖縄県本部)
ロールプレイング(学生と講師とのディスカッション)の様子