県段階の協同組合間連携の実態について

茨城大学生協、食堂で100円カレーを提供

 11月14日と17日に、県内47の協同組合・関係団体で構成する「協同組合ネットいばらき」(代表・鶴長義二茨城県生活協同組合連合会長)は、国立大学法人茨城大学農学部とコマツ(株)の共同研究で栽培・収穫され寄贈された新米30kg×40袋を、フードバンクが主催、協同組合ネットいばらきと茨城県生協連が共催している「子ども応援プロジェクト」に合わせて、集まった寄付金の一部を精米代にあて、茨城大学生活協同組合へ届け、共同募金会の助成金を活用して100円カレーに取り組んだものです。

 茨城大学農学部では、2020年からコマツ(株)と共同して、同社が開発した農業ブルドーザーを用いた「乾田直播水稲栽培[1]」の実証研究を行っています。2023年は、「にじのきらめき」という国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が育成した水稲新品種を栽培しました。記録的な夏の暑さでも14トンもの品質の良い米が収穫され、茨城県生活協同組合連合会へ寄贈されました。これは、コロナ禍の際に茨城大学等で実施した食の支援で提供されたことがきっかけとなっています。茨城県生協連では寄贈された新米を県内の社会福祉協議会や子ども食堂、そして協同組合ネットいばらきなどへ振り分けました。

 茨城大学生活協同組合では、振り分けられた新米と茨城県共同募金会の事業助成など活用し、11月27日から12月1日にかけて、茨城大学水戸・日立・阿見の各キャンパスの食堂で「学生応援メニュー」としてカレー100円キャンペーンを実施しました。

 学生や関係者からは「お米の粒が大きく、食感も良い」、「100円でカレーが食べられてうれしい」などの声が寄せられました。

 

[1] 「乾田直播水稲栽培 (かんでんじきまきすいとうさいばい)」とは、畑状態の水を張っていない「乾田」にイネの種子を直接播いて出芽が揃った後に入水する栽培方法です。これがうまくできれば、苗づくりや田植えのコストが削減され、休耕地活用の促進や地域農業の持続可能性につながることが期待されます。