県段階の協同組合間連携の実態について

2022年度 絆シンポジウム・絆塾が開催されました

 福島県の協同組合連携組織「地産地消運動促進ふくしま協同組合協議会」(地産地消ふくしまネット)は、12月12日・13日の2日間、郡山市「ユラックス熱海」において、絆シンポジウム・絆塾を開催しました。 今年度の絆シンポジウムのテーマは「福島から考える協同組合のアイデンティティ」で、オンライン参加も含め、県内の協同組合の役職員と福島大学の学生の総勢約150名が参加しました。

 シンポジウムでは、「ICA声明・協同組合の定義・価値及び協同組合の原則」の映像資料を全員で視聴したのち、JCA伊藤常務が「協同組合のアイデンティティに関する世界的協議について」講演し、「現在の原則・アイデンティティは1995年に採択された。インターネットが普及し時代背景が大きく変わった今、時代にマッチするか検証することが必要だ。また、SDGsが浸透し株式会社でも社会・環境・経済の調和が重視される現在、協同組合は改めて“自分たちは何者か(アイデンティティ)”を考える必要がある。世界的にはこれまでの原則には含まれていない職員・環境・平和・多様性と包摂など新たな論点に留意する必要があるとされている。是非、2日目の絆塾で論議してもらいたい」と話しました。

 その後、生活協同組合コープこうべの齋藤優子氏が「協同組合間連携による地域活性化へのチャレンジ~地産地消の推進と人づくり~をテーマに兵庫県で取り組まれている「兵庫地魚推進プロジェクト(とれぴち)」の取り組みを紹介、「とれぴちの取り組みは協同組合職員の合同研修『にじの仲間づくりカレッジ』で培った職員と職員のつながりから始まった」と説明。「協同組合が相互理解を深め、消費者と生産者のつながりを生み出し、連携することで創り出されるものの可能性は大きくこれこそが協同組合の力だ」と解説されました。

 その後、2名の講師と福島大学の小山良太教授に地産地消ふくしまネットの役員も参加して「協同組合のアイデンティティ」についての 鼎談 ていだん が行われました。

 2日目の絆塾には福島県内の協同組合の職員と地産地消ふくしまネットの構成団体でもある福島大学の学生が参加し、同大学の林薫平准教授と原田英美准教授の進行で、それぞれの協同組合の強み・弱みを共有したのち、「協同組合のいいところを出し合って、地域の課題解決の企画を考える」をテーマにしたグループワークが行われました。短い時間のグループワークでしたが、企画された内容は「希薄になりつつある人間関係を修復し、暮らしやすさだけでなく、誰もが生きやすい世の中(未来)にするために、協同組合が垣根を越えて、組合員だけでない様々な人々のつながりを紡ぎ出すための活動や場づくりの提案」がそれぞれのグループから報告され、職員に宿る「協同組合のアイデンティティ」を感じる機会ともなりました。

絆シンポジウムの鼎談の様子
絆塾での発表の様子

 

【関連リンク】2022年度 絆シンポジウム 動画