IYC2025のテーマが決定:「協同組合はよりよい世界を築きます」
国連は6月19日、2025年国際協同組合年(IYC2025)のテーマを「協同組合はよりよい世界を築きます(Cooperatives Build a Better World)」とすることを決定しました。
このテーマは、協同組合の持続的な世界的影響力に光をあて、協同組合がさまざまな世界的な課題に対処するための不可欠な解決策であることを強調しています。さらに、2030年までの持続可能な開発目標(SDGs)の実現をすすめるにあたり協同組合が果たす重要な役割を強調しています。
国連は、IYC2025のテーマを決定した決議において、全ての国連加盟国、国連諸機関、関係者に対して、IYC2025を活用して、社会・経済の発展への協同組合の貢献を促進するようによびかけました。その一つとして加盟国に、IYC2025のすべての活動をコーディネートし準備するための国内委員会の設立を検討するよう求めています。
国連経済社会局のリ局長は、「国連総会による決議は時宜を得たものです。協同組合の持続可能な開発への創意あふれる貢献は、2030年が近づくなかSDGsの達成に向けた歩みを加速するために、極めて重要となるでしょう。この2度目のIYCは、よりよい世界のための協同組合の貢献を強めながら、世界中で協同組合を支援し拡大するために、すべての関係者の動きを促進する機会となるでしょう」と述べました。
国連からは以下のことも発表されました。
* IYC2025に向けたプレイベントが、2024年7月9日ニューヨーク時間午前10時(日本時間9日23時)から、ニューヨークの国連本部で、SDGsの国連ハイレベル政治フォーラムの期間中に開催されます。このハイブリッド形式のイベントは、モンゴル国常駐代表部の協力のもと、協同組合振興促進委員会(COPAC)が主催します。イベントではIYC2025テーマの発表と併せ、イベントの開催スケジュール、IYC2025の広報資材が発表される予定です。7月9日のプレイベントは、毎年7月第1土曜日の国際協同組合デー(今年は7月6日)を記念するものでもあります。
* IYC2025の公式キックオフ・イベントは、2024年11月25~30日にインド・ニューデリーで開催されるICAの世界会議と総会に併せて行われます。
* 国連はIYC2025の目標として次のことを掲げました。
- 政府は、協同組合が活動しやすい環境を創り出す。
- 協同組合は、人びとの認知を高め、新たなリーダーを育て、協同を強化する。
- 諸組織や諸開発機関は、教育、能力強化、国際協力の促進を通じて、協同組合を振興する。
- 一般市民は、協同組合のアイデンティティを理解し、協同組合の取り組みを支援する。
国連の決定を受け、ICAもIYC2025のテーマをウェブサイトで発表し、グアルコICA会長は、次のように述べました。「協同組合は私たちの生活のあらゆる場面に存在し、あらゆる場所で、SDGsの各目標に応えています。国連が国際年を協同組合のために設けるのは史上二度目であり、これは偶然ではありません。協同組合は、その地域社会への関わりに導かれ、うまく適応しながら、変化する現代の課題を克服してきました。そして、歴史のなかで繰り返し、私たちは力を合わせてよりよい世界を築いていることを示してきました」。
日本でも、IYC2025に向けて、2024年7月9日にIYC2025全国実行委員会を立ち上げる予定です。この委員会は、持続可能で活力ある地域社会の実現に資することを目的に、次の取り組みを行っていく予定です。
- 協同組合の理解促進・認知向上
- 協同組合の事業・活動・組織の充実を通じたSDGs達成への貢献
- 地域課題解決のための協同組合間連携やさまざまな組織との連携の強化
- 国際機関・海外協同組合とのつながりの強化
【関連リンク】
- JCAウェブサイト内IYC2025のページ
- 国連によるIYC2025テーマ発表(英文・和訳)
- ICAによるIYC2025テーマ発表(英文・和訳)